今回も、羽生善治九段の名言を紹介していきます。
将棋のレジェンド・羽生善治九段の言葉から、
勝負における人のつながりと影響力について読み解きます。
なお、
なぜ羽生善治九段の名言を紹介するのか?
その理由は以下の記事で書いているので、
ぜひ読んでみて下さい!

羽生善治九段の名言紹介!
今回の羽生善治九段の名言はこちら!
「将棋にかぎらず、勝負の世界では、多くの人たちに、どれだけ信用されているか、風を送ってもらうかは、戦っていくうえでの大きなファクターであり、パワーを引き出してくれる源である。」
引用元:「決断力」羽生善治著 P47
筆者はこれを読んだとき、
「勝負師の羽生善治九段にしては意外な言葉だな・・・
人からの信用や期待と、勝負って、なんの関係もないじゃん」
と思ってしまいました。
しかし、この言葉の前後の文脈を読めば、
なるほどな!とうなずかざるを得なくなります。
というのも、これには羽生善治九段の実体験の裏付けがあるからです。
それは1996年の王将戦。
当時、羽生善治九段は六冠を引っさげ、
谷川浩司王将に挑戦していました。

これで王将奪取すれば、史上初の七冠達成!
そういう期待感が周囲に充満していたそうです。
羽生善治九段は当時を振り返り、こう語ります。
「前夜祭のときからたくさんの人が来て、いつもの雰囲気ではなかった。相手の谷川さんにすれば辛く、その時点でやりにくかっただろう。途中からは自分が全部、ホームゲームを戦っているような、そんな空気だったのだ。」
引用元:「決断力」羽生善治著 P46
周囲の空気が羽生善治九段を後押ししていたんですね。
谷川浩司王将としては、
自分がヒール役になったみたいな感覚を覚えたのではないでしょうか。
絶対居心地悪かったと思うし、
普段通りの実力を出し切れない環境だったと思います。
実際、王将戦では、まさかの羽生善治九段の4連勝。
見事に王将を奪取し、史上初の七冠達成!
周囲の期待を一身に背負った羽生善治九段の完封勝ちとなりました。
実は、その前年の1995年の王将戦でも、
羽生善治六冠が谷川浩司王将に挑戦したのですが、
そこでは、1996年とは全く逆の現象が起きていました。

前年の1995年の王将戦では、なにが違ったのでしょうか?
そう、1995年は阪神淡路大震災が起きた年でした。
谷川浩司王将のご実家がある神戸は、完膚なきまでに被災。
そんな苦境に立たされた谷川浩司王将に周囲の同情が集まり、
逆に羽生善治六冠がヒール役になっていました。
周囲の同情と声援を受けた谷川浩司王将は、
4勝3敗で王将を見事防衛。
周囲を味方につけた谷川浩司に勝利の女神が微笑みました。
勝負は勝負をしている者同士の関係だけで決まると、
私たちは常識でそう思いがちですが、
羽生善治九段は違うと言います。
「プロの将棋は、公正に、対等の条件で戦われているようだが、実はそうではない。確かに表面だけを見れば対等である。関係者もすべてが対等であるように気を配る。しかし、どちらかに勝たせたい、といった気分は対局場のどこかに必ずあり、それを隠すことはできない。空気を対局者は鋭く感じ取ってしまう。」
引用元:「決断力」羽生善治著 P45
周囲からの信用や期待も、
勝負を決定するファクターのうちの一つなのですね。
確かに、スポーツの世界でも、
ホームで戦うか、アウェーで戦うかで、
戦いやすさがかなり違うと言いますもんね。
ホームの方が味方ファンの声援を一身に受けられて、
実力を存分に発揮しやすいのでしょう。
羽生善治九段はこう言います。
「プロ野球などで、「チャンスに強い。打ってくれるだろう」とファンから期待される選手がいる。その期待に応えてサヨナラホームランを打つ。チームに劇的な勝利をもたらしたあとのインタビューで「ファンの皆さんのお陰です」と答える場面をよく見かける。これは、決して社交辞令だけではない。周りの信用の後押しが、ぎりぎりの勝負になって出てくるのではないかと思っている。」
引用元:「決断力」羽生善治著 P46
周囲を味方につけることの大切さがよくわかりますね。
冒頭で紹介した羽生善治九段の言葉は、
将棋という勝負の世界だけでなく、
仕事・プロジェクト・人生の挑戦にも通じます。
「信頼され、応援される関係」があると、
苦しい局面でも力を発揮しやすくなるというメッセージです。
人間関係・チームワークの重要性をシンプルに伝えている点が秀逸です。
羽生善治九段の名言を踏まえて①
以上、羽生善治九段の名言を紹介しましたが、
羽生善治九段の名言を踏まえて私たちはどうするか、それを考えたいと思います。
羽生善治九段は、勝負においては周囲の後押しが必要だということを教えてくれました。
では、周囲の後押しを受けるためには、どうすればいいのか?
それは、人間性を磨くことなのではないでしょうか。
いくら実力があっても、人間的に嫌なやつは、
よほどの物好きをのぞき、誰も応援したがりません。
人間性を磨くことを怠っているスポーツ選手などは、
戦う前から自分を不利に追い込んでいるのではないでしょうか。

今、メジャーリーグで大活躍をしている野球の大谷翔平選手。
二刀流で有名な大谷翔平ですが、
そんな彼が高校1年生の時に書き上げた「目標達成シート」。
目標達成シートとは、強い目標(夢)を中心に置き、周囲9×9の合計81マスに細分化した目標を書き込んだものです。
そんな目標達成シートの中身を見ると、
面白い発見があります。
彼の当時の目標は、「8球団からのドラフト1位指名」
それを達成するために、大谷翔平は8つの要素を考えました。
①体づくり
②人間性
③メンタル
④コントロール
⑤キレ
⑥スピード160キロ
⑦変化球
⑧運
スポーツとは一見関係ない人間性を、野球に必要な要素だと考えていたんですね。
ちなみに、人間性を身に付けるために必要な要素を、大谷翔平はさらに8つ考えています。
①計画性
②感謝
③継続力
④信頼される人間
⑤礼儀
⑥思いやり
⑦感性
⑧愛される人間
スポーツ選手に限らず、私たちも仕事をする上で、
人間性を高めることが求められていると思います。
高い人間性を保持していればこそ、
周囲が味方になってくれて、
円滑に仕事が進みやすくなるのではないでしょうか。
筆者は、控えめに言って人間性が発達途上(汗)なのですが、
(もっと直截(ちょくさい)に言えば、人間のクズといっても過言ではありません(涙))、
不思議と運よく周囲が味方してくれることが多く、
仕事したての頃はのぞき、
仕事で困ったことがありません。
やはり周囲を味方につけると、仕事がすいすい進むんですよね。
逆に周囲を味方につけることに失敗した同僚などは、
仕事がしにくそうで、見ててちょっとかわいそうでした。
どこか障害物競走を走ってるような、そんな印象を受けました。
上から目線の自慢話、お目汚し失礼しました<m(__)m>
羽生善治九段の名言を踏まえて②
人間性を高めることで、実は見逃せないおまけが付いてきます。
それは、運。
人間性を高めることで、運が付いてくるということです。
「そんなバカな!?」と読者は思われるでしょう。
筆者もそう思っていました(笑)
しかし、そうなのかもしれないと思わせられるお話を挙げます。
まずは羽生善治九段の言葉からいきます。
「・・・ツキを失う方法はいたって簡単だ。人道に反することをすれば、容易に状況は悪くなるはずである。・・・
子供の時に読んで大きな影響を与えてくれた一冊に、米長邦雄先生の「人間における勝負の研究」という本がある。
このなかに、米長先生が、東京へ行く汽車に乗る時、うまくキセルをする方法は知っていたが、そんなことをすれば大きなツキを失うに違いないのでやらなかった、という内容があり、確かにその通りだと思った。」
引用元:「大局観ー自分と闘って負けない心」羽生善治著 P155
人間性に反する行為は、ツキに見放されるということですね。
かといって、人間性が高い行為を取っていればツキがついてくると、
そこまでは残念ながら言い切っていませんが、
人間性が高い行為を取ることで、
ツキから見放されるのを防止しやすくなるとは言えるでしょう。
2つ目の話は、先程の大谷翔平選手の話です。
実は大谷翔平の目標達成シートを見ればわかる通り、
8球団からのドラフト1位指名を達成するための要素の1つに、
「運」を挙げています。
そして、その運をよくするために、大谷翔平は以下の8つを挙げています。
①部屋掃除
②審判さんへの態度
③本を読む
④応援される人間になる
⑤プラス思考
⑥道具を大切に使う
⑦あいさつ
⑧ゴミ拾い
どれも、人間性を高めるために必要なことですよね。
個人的には、審判への態度に注目していたのが面白いなと思いました。
普通の球児は、審判への態度を良くしようだなんて思いもしません。
そこに注目するところに、
大谷翔平の非凡さが表れてるなと思いました。
高校1年生の大谷翔平は、
運を良くするには人間性を高めることが必要不可欠だと、
直感でわかっていたのではないでしょうか。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回の内容をまとめると、
・勝負には、周りの人たちからの後押しが必要
・そのためには、人間性を高めることが必要
・人間性を高めることで、運も味方してくれる
羽生善治九段が勝負師だからこそ、
勝負をギリギリ分かつそのなにかに敏感だったんでしょうね。
勝負は孤独な戦いでありながら、決して一人ではない。
信頼関係や応援が、あなたの背中を押してくれる――
羽生善治九段の言葉が教えてくれる真実です。

最後になりましたが、これは、いまをときめく藤井聡太も例外ではありません。
彼をYouTube動画等で見ればお分かりのとおり、
まさに品性の塊です。
筆者の独断かもしれませんんが、
皇室の方と遜色ないくらいの品性をお持ちです。
対局場所の地元で接待されている様子を拝見すると、
国家元首が接待されてるように錯覚するくらいです。
藤井聡太があれだけ将棋の化け物であるのは、
将棋の研鑽だけでなく、
人間性を高めに高めてこられた賜物なのだと筆者は思います。
羽生善治九段の名言はまだまだあります。
いずれも将棋棋士ではない私たちにとっても役立つ言葉ばかりなので、
また紹介していきます。
楽しみにしてください!


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