女流棋士と棋士の違いは?「女性棋士」が存在しない理由は!?

今回は、女流棋士と棋士の違いについて解説します。

棋士と女流棋士、これらは似ているようで全く似て非なるもの

棋士と女流棋士の違いがわかっているようで、実はよくわかっていない方も少なくないのではないでしょうか(筆者もそうでした)。

棋士と女流棋士の違いは何か?「女性棋士」が存在しない理由は?

そのような疑問に答えていきます。

棋士とは

では、まずは棋士とは何かを、一問一答で見て行きましょう。

 

Q:棋士の定義は?

A:棋士は、「日本将棋連盟に所属する四段以上の段位を持つ者」と定義されます。

 

Q:棋士は現在何人いるの?

A:現役・引退合わせて、230名を超える棋士が存在します。

 

Q:棋士はどうやったらなれるの?

A:棋士になるには、奨励会という棋士養成機関に入ります。
  奨励会に入るには、一定の年齢以下で、棋士の推薦が必要になります。

  奨励会は、6級から三段まであり、成績によって6級→5級→4級→3級→2級→1級→初段→二段→三段と昇級・昇段します。

  三段では、年に2回の三段リーグが行われ、原則としてそこでの上位2名が四段になり、棋士となります。

 

Q:棋士になると、何ができるの?

A:棋士になると、一般棋戦に出場することができます。
  一般棋戦には、8つのタイトル戦と7つの優勝棋戦があります。

 

Q:棋士の段位は?

A:四段から九段まであります。

 

Q:棋士になる例外的な方法(奨励会を経ない方法)はあるの?

A:方法は2つあります。

 ①棋士編入試験というものがあります。
  棋士編入試験は、年齢制限により奨励会を退会した人がプロ入りする(棋士になる)ために行わる試験で、2014年から始まりました。


  棋士編入試験の受験資格は、以下の通りです。
  ・最も良いところから見て10勝以上、かつその間の勝率が6割5分以上の成績を収めること
  ・各棋戦のいずれか1つにおいて所定の成績を収めること
  ・四段以上の正会員に推薦状をもらう

  なかなか厳しい受験資格ですよね。
  受験資格を備えた受験者には、試験官と5回対局するという、さらに厳しい試験が与えられます。
  そこで3勝すれば、晴れて棋士になることができます。

  過去に棋士編入試験を受験したのは5名。

  そのうち合格者は3名(今泉健司五段、折田翔吾五段、小山怜央四段)
  不合格者は2名(里見香奈女流六冠、西山朋佳女流二冠)

 

 ②女流タイトル「白玲」通算5期で棋士になる権利を獲得する道があります。
  白玲戦は、女流棋戦で唯一7番勝負が実施される棋戦。
  白玲を通算5期獲得すれば、「クイーン白玲」の称号を得ることができ、さらには棋士のフリークラス(名人戦の順位戦に参加しないクラス)に編入する権利を獲得します。

  この制度はかなり新しく、羽生善治元会長の発案で、2025年6月の棋士総会で可決されました。
  これに関しては、かなり賛否両論がわかれました。
  女流棋士でも実力ある人が棋士になれる道が広まったと言えるので、筆者としては賛成です。
  これで将棋界は大いに盛り上がることと思いますし、女流棋士の本気度がさらに上がり、棋力の底上げが期待できると思います。

  2025年10月現在、白玲は西山朋佳女流二冠。現在は通算3期を獲得。
  奨励会三段リーグで14勝4敗の、棋士になってもおかしくない極めて優秀で、また極めて惜しい成績を収めた西山朋佳が、今は一番棋士に近い存在かもしれません

女流棋士とは

では、女流棋士とは何なのか?こちらも一問一答で見て行きましょう。

 

Q:女流棋士の定義は?

A:明確な定義はありませんが、あえて定義するとすれば、
  「女流棋士制度で認められた棋士」でしょうか。
  女流棋士制度は、女性に対する将棋普及を目的として、1974年に発足しました。

 

Q:女流棋士は現在何人いるの?

A:現役・引退合わせて、70名を超える女流棋士が存在します。

 

Q:女流棋士はどうやったらなれるの?

A:女流棋士になるには、研修会に入ります。
  研修会には25歳以下の女性が入会でき、そこで規定の成績をあげることで女流棋士(女流2級)になることができます。

 

Q:女流棋士になると、何ができるの?

A:女流棋士になると、女流公式戦に出場することができます。
  女流公式戦には、8つのタイトル戦があります。

 

Q:女流棋士の級・段位は?

A:女流2級から女流七段まであります。

 

Q:女流棋士になる例外的な方法(研修会を経ない方法)はあるの?

A:女性の奨励会員が奨励会を退会する場合、奨励会2級以上であれば、その級位や段位のまま女流棋士になることができます。
  例えば、奨励会2級なら、そのまま女流2級に、奨励会三段なら、そのまま女流三段になれます。

女流棋士と棋士の決定的な違いは

棋士と女流棋士の決定的な違いは、一にも二にも棋力の差、これに尽きます。

タブーかもしれませんが、これは動かしがたい事実です。

確かに、女流棋士の棋力の高さは、将棋を多少とも知っている人であれば当然のこと十分わかっています。

しかし、多くの女性奨励会員が、棋士がくぐり抜けてきた奨励会を突破できずに女流棋士に転向している現状を見ると、

棋士よりも女流棋士の棋力がどうしても劣ってしまっていることは明白です。

実際、女流棋士が男性棋士に対局で勝つだけで、ちょっとしたニュースになりますからね。

 

※女流棋士の先生方、アマチュアごときが上から目線の発言ばかりで本当に申し訳ありません。
 いつも全力で応援させて頂いております。

なぜ、女性のプロ棋士はいないの?

では、なぜ女性のプロ棋士は存在しないのか?

理由は残念ながら不明です。

江戸時代から連綿と続く将棋の歴史で、女性棋士が一人もいないというのは、おかしい気がします。

将棋という競技そのものが、男性に有利になるように設計されているのでしょうか。

ここのところの、性別の差による影響は、科学的に解明されていません。

しかし、頭脳に性差は存在しないはずなので、もうそろそろ女性棋士が誕生してもいいのではないでしょうかと筆者は思います。というより、女性棋士の誕生を切望しています。

まとめ

いかがだったでしょうか。

棋士と女流棋士の違い、おわかり頂けたでしょうか?

女性に対する普及の観点から女流棋士制度が誕生し、それはそれで好ましいことではあるのですが、

いずれは棋士と女流棋士の棋力差がなくなり、そのことから女流棋士制度が発展的に解消され、女流棋士も男性と同じく棋士として活躍できる時代が来ればいいなと筆者は思います。

まあ、これはだいぶ先のおとぎの話に聞こえるかもしれませんが、そんなおとぎの時代がいずれは現実に来ると筆者は信じています。

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